ミミズクと夜の王

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)


2006年の電撃小説大賞受賞作品です。今年は「毒吐姫と星の石」という続編も出ましたね。おかげで久々にこの本を読み返したくなっちまったーのよぅ。
この本の特徴は本当にシンプルなところ。ぼろっぼろの女の子がね、死に場所を求めて魔物の住む森にやってきてね、最後幸せになるの。そんだけ。そんだけだけどそれがいいのよ。そんだけだからこそ心に残るのよ。
どうせ死ぬなら一番いい魔物に食われたい!という非常に後ろ向きなワガママと共にお話が始まるのですが、こういうのなんだか笑っちゃって自分は好きです。俺を食えー!と迫る女の子とめんどくさいから逃げる魔物の王様の姿は、思いっきり強者と弱者の立場が逆転しちゃってます。でもなんだかラヴいですね。
読み返して思ったのですが、あまり長くないお話の中で主人公の女の子の性格は2回くらい変わってますね。初期のぼけぼけ系と中期の不思議系と後期の人間らしさを取り戻した系の中じゃぁ、自分は最初のぼけぼけした感じのやつが好きだったなぁと思います。一番眺めてて面白そうだし。
ハッピーエンドで終わりますがこれはネタばれでもなんでもありませんよ。むしろ幸せな結末だと分かっているからこそ、安心して不幸な女の子の境遇にハラハラできるのでお母さんも安心です。
続編でもこの女の子は元気でやっているようですよ。