理想の彼女のつくりかた2

理想の彼女のつくりかた(2) 第二稿 雨と紫陽花とセカンドガール (電撃文庫)


理想の彼女の設定をノートに書いたら本当に出てきたぜヒャッハー!というマジで狂ったテンションのお話に続きが出ました。よくライトノベルでは「現実にはこんなことねーよ!」と思わされるくらい仲の良いコミュニケーションが行われますが、これはさらに「ライトノベルでもねーよ!」と思わされる程の無茶苦茶ハイテンションなやり取りが行われます。それと文章力云々と語る事を超越した、意図的に支離滅裂にした文章はクスリを使った副作用じゃないかと推測され、やっぱり麻薬って怖いなと改めて私に教えてくれました。
そしてこれがその2巻。上で語った事は言わば私がこのお話に惹かれた魅力なのですが、その点で言うとこの2巻はダメ。まったくダメ。ダメダメなんだよキミィ!なのでございますの。
先ずね、全体的に暗い話をやろうとしてます。そんで全体的にギャグもやろうとしてます。キミィ、これじゃぁ笑おうとしても心から笑えないし、真面目になろうとしても雰囲気ぶち壊しじゃないか!メリハリと言うものがね、ボクは欲しいのですよ。期待したほどの目茶苦茶なハイテンションはなかったです。
あとは支離滅裂だったやり取りに回復の兆しが見えてしまっています。これは…、これは素直に作者がリハビリに成功していると喜ぶべきでしょう。良かった、病気の作者なんかいなかったんだ。
お話の方もポンコツだった理想の彼女が真人間になる兆しを見せ、ギャグの演技をしていた主人公くんにも限界が見えたりして、少しずつ登場人物の歪な部分が癒されていっている感じがします。まだまだ健全には程遠い状態ですけど、いつしか彼らは素直な気持ちで生きて行ける時が来るでしょう。そんな気がします。
そうか、もうここには見守ってなくちゃならないほど心配な人間はいないんだな。ならボクはここでさよならさ!