ひかりの剣

ひかりの剣 (文春文庫)


今週はずっとこれ読んでました。別にぶ厚いわけではないです。単にゆとりがなかった。いろんな意味の。
さてそんな事は置いといて、こちらはチーム・バチスタシリーズで有名な作者が書いた青春スポーツ小説でございます。はい、バッチリ他の作品群と繋がっているのもいつも通りでございます。お話の主軸になる二人の登場人物は「ジェネラル・ルージュの凱旋」と「ジーン・ワルツ」でそれぞれメインキャストになっている人たちですね。何処かで読んだ作者の言葉を借りるなら、作者のどの本も初めて読んだ人が楽しめるような作りになっているらしいので別にそれらの作品は未読でも大丈夫だと思われます。バッチリ二つとも読んでいる私の様な者の印象としましては、これはもう刊行順ではなくて時系列に沿って読むべきシリーズなのではという気が最近してきています。今からもう一度ジェネラルルージュとジーンワルツを読み直したら絶対印象が違っているはずだ。
初登場時にはおっさんだった二人が、まだ学生だった頃に打ち込んでいた剣道のお話です。しかももの凄い王道の展開を行く青春ストーリー。才能があって、ライバルがいて、挫折があって、修行があって、最後に勝利がある。少年マンガっぽいノリがあからさま過ぎるぜ!と途中で思わずつっこんでしまったほどのゴールデンウェイぶりです。あとかませ犬の娘。マジ泣ける。終盤のヘタレ方は物語の被害者という形容詞が良く似合う哀しい女の子です。
あと作中の重要な出来事っぽいけどあっさり流されちゃってる挿話は「ブラックペアン1988」の出来事ですね。時系列が被っています。気になる人は読んでみるのもいいんじゃないんでしょうか…とか言いたい所ですが、もし自分がひかりの剣もブラックペアンも読んだ事がなかったら確実に両方とも読む気が無くなりますね…。だって2冊も読まなきゃいけないとか面倒臭いじゃん? どんな本にも共通しますが、読まなきゃいけないと思うと途端に魅力が無くなる不思議。

しかし海堂尊氏の作品も、読んだのはこれで10タイトルにもなりましょうか。そろそろお腹いっぱいになってきたぞ。