はい、こちら探偵部です

はい、こちら探偵部です (電撃文庫 に 5-1)


探偵っていう言葉…いいよね。なんか惹かれるものがあるよね。うん、これを選んだ事にそれ以上の理由は無いんだ。
そんな感じでいつものように体当たり購入。今まで踏み付けた地雷は数多いですが、次なる一冊がどんなものかは本当は分かりませんからね。なあにそれに昨日もいっこ踏み抜いてきたばかりで日常茶飯事なもんさ!




(読む)
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ひ、卑怯だ!この作者天然じゃないのか!?笑っちゃうじゃないか!
ゆるゆるな探偵クラブの推理物語と、一応は期待した通りのお話にはなっていました。しかしそれ以外に文章から滲み出る作者の個性が私の感性にヒット。これきっとふざけてるかやる気がないかばかにしているかのどれかだよねと思わされる言葉選びのセンスが実に素敵です。あっはっはー。こういうの俺…嫌いじゃないぜ! とにかく作者が天然なのか、どこに笑いが潜んでいるか予想が付かないのです。
もういろんな事で笑える。なんでも笑える。探偵のお話なので事件と謎が出てきますが、ミステリーの難易度としては恐らくとても易しい部類に入るでしょう。第一話の事件の真相が明らかになった時は「うひょーしょうもねー」なんて思いましたが、善く善く推理を説明されてみると結構筋が通った納得の出来るものだったりしましてね。アホなお話だと決めつけて推理なんかろくすっぽもしなかった私に対して、「え、めっちゃ易しくしたのにこの程度も分からなかったの?」なんてお話に言われた気がしてキー!なんて憎たらしい子! と逆にばかにされた自分もなんか笑えました。一応手掛かりは全部示されてるのね…と頭に入れて挑んだ二話では「え、別に俺そんなこと言ったっけ?」とばかりに手掛かりをバッチリ隠したりして、とことんコケにしてくれるじゃないのコノヤロウ!と翻弄される自分もまた可笑しかった。もうお話と私の相性が良かったとしか言えないですね。
まあヒロインが栗原くりこなんていうやる気のない名前のくせに、個人的に親近感がどうしても湧いてしまうとかいろいろ卑怯ですよね。作者もそんなとこで好意をもたれるとか想像もつくまいよ。
でもこれ次は面白いかなーとか、というか次があるのかなーとかいろいろ思いますが、あったらあったでそれなりに楽しみだったりします。