【真藤順丈】庵堂三兄弟の聖職 (1日目)

庵堂三兄弟の聖職 (角川ホラー文庫)


この作者さんは少し前に新人賞を4つほど取って話題になってましたね。なんか無差別っぽくいろんなところに送りまくった結果みたいですが、その受賞した賞の一つには電撃小説大賞があってとっても浮いてました。ちなみに他の賞は何かというと「ダ・ヴィンチ文学賞」に「ポプラ社小説大賞」、そしてこの本が受賞した「日本ホラー小説大賞」の大賞のようです。ダ・ヴィンチ文学賞はよく知りませんが、他の賞は個人的には確かに作風で共通できる部分がある気はしますね。ちょっとファンタジックだったりとか、主人公の年齢が若かったりとかそんな感じで。

さてまあこちらのホラー大賞受賞作品。葬儀屋を営む三兄弟のお話、というのが若干乱暴気味の要約ですか。葬儀した後の遺体を工芸品に加工する方がどうやらメインのお仕事みたいです。現実にも遺灰をダイヤモンドに加工する業者とかいますけど似たようなものでしょう。
そんでまあお話の方は、その変わったお仕事と依頼人との人間ドラマが繰り広げられるというより、あくまで三兄弟のお仕事の様子をメインに据えたお話を展開していくようですね。父親の仕事を継いだ長男、家から離れて就職した次男、長男の手伝いをする三男…、それぞれの想いが交錯しながら日本ホラー小説大賞用にチューンナップされた おおグロイグロイな解体描写で攻めてきます。確かに東京ヴァンパイアファイナンスと同じ作者だと雰囲気で分かりますが、しっかりとホラー小説用に残酷シーン特盛りときやがってますぜ!