【桜庭一樹】私の男 (2日目)

私の男 (文春文庫)


駄目男よ!駄目男のお話よこれ! まあ単行本版の表紙は裸で抱き合う男女のシルエットでしたからね。爽やか好青年が主役を張るとは思っちゃいなかったさ。
ども、コンバンハ。昨日に引き続き桜庭一樹さんの「私の男」よりお送りしております。
物語の始まりは一組の親子が間近に控える結婚式に備えている場面から。
旦那は金持ちそうで取り敢えず幸せを掴んでいるんじゃなかろうかと思われる花嫁と、その花嫁に養ってもらっているらしいほぼヒモ状態の父親、この二人を主役としてお話は進んでいきます。そしておそらく同時にこの姿が、二人の結末の姿でもあります。どうやらこの後お話は過去へ遡って行くらしく、何やら後ろめたい過去を仄めかしたり、養父が25歳の時に9歳の女の子を引き取ったという事実が少し語られた後、ぷっつりと現在編とも言えるお話は終わってしまいました。これだけではあまり面白かったとは思えん。
正直言ってこのお話、暗いです。この親子は既に爛れた関係でもあるようですし、早くも養父に有罪が確定しています。ここは是非とも養父に説明責任を果たしてもらい、具体的にはいつぐらいから手を出したかをはっきりさせて欲しい所です。やべぇ!過去に遡るのがだいぶスリリングになったぞ!興奮してきた!

まあいろいろと罪深いお話のようですが、最後には引き取られた年まで時間が戻って行くようです。少し戻ったら養父が駄目男レベル10くらいから駄目男レベル5くらいのまともさになっていました。昔に戻るのも悪いことばかりじゃないのね。