【山下貴光】屋上ミサイル (下) (3日目)

屋上ミサイル (下) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C や 2-2)


危機がぁ!どうにも出来ないことに対する焦りがぁ!苛立ちがぁ!次第に募っていって胸がモヤモヤするぅ!
クライマックスももうそろそろというところまで来た感じがありますが、屋上部の面々を囲む状況がだんだんと息苦しくなり遣る瀬なくなり、切ないです。そもそも不安の種はお話の冒頭から存在してました。主人公の高校生達とは全く関係ない遠くの国、アメリカの大統領がテロリストに拉致監禁されているというバックグラウンドがお話の最初に説明されました。なにそれオレたちにはどうしようもないじゃん向こうに任せるしかないじゃんと思うものの、世界最強の軍事力が自分たちに牙を剥きかねない決まりの悪さが常に付き纏います。それから幾日が経ったかわからないくらいの現在でも未だに解決していないという。積り続けた不安が、息苦しく感じられて来たこの世の中。
唯でさえ息苦しいのに、屋上部には事件も付き纏う。しかも遭遇する事件は数あれど、どれも解決までは今一つの段階で燻り続けているという。なにこの息苦しさスパイラル。自分らみたいな一般人にはどうしようもないんだそれに所詮他人事じゃないかと諦めたくなる誘惑にも駆られるのですが、それでも足掻くように前に進み続ける屋上部員たち。
現在の状況は、なんだか祈りたい気分です。ああ、もう少しで結末かあ。