もて?もて!6 ある日二人三脚でぎゅうぎゅうにっ!

もて?モテ! 6 ある日二人三脚でぎゅうぎゅうにっ! (MF文庫J な)


キミには本当に失望したよ!
私が嘆いているのは他でもありません、サブタイトルの事です。「ある日二人三脚でぎゅうぎゅうにっ!」という、せいぜいちょっとエッチなハプニングを予期させる程度のヌルいタイトルセンスに私は失望しているのです。恥も外聞もなく、ただ己の欲望のままにドン引きするような文言を垂れ流し続けてきたもて?モテ!の歴史に翳りが見えてしまう、唯一のアイデンティティさえ喪失させるような愚行です。今まで抜きん出たひどさで他の追随を許さなかったシリーズでしたが、今回ばかりは同じ月にファミ通文庫で発売された「U.F.O. 未確認飛行おっぱい」に明らかに負けています。ちなみに未確認飛行おっぱいは明日読む予定です。長い事私の中でNO.1(ひどさ的な意味で)に君臨し続けていた本シリーズも、いつかは慣れ、次第にマンネリ化し、ついに世代交代の時期が来たという事なのでしょうか。そして読む度に後悔し、そして後悔すると分かっていながら次の巻に手を出し続けるという、自分の何がそうさせるか分からない呪われた習慣から遂に解放される時が来たのでしょうか。私はもう楽になってもいいのでしょうか。

―――しかしそれは―――
   ―――実際にページを捲るまでの、短い幻想でしかなかったのです―――


これはひどい。おお…おおおおぉ…
読み始めた途端に私を駆け巡る激しい感情の渦。怒り。なぜ自分はこんなものを読んでいるのだという哀しみ。とうに分かっていたはずなのにそれでも押し寄せて来る後悔。全ての原因は、電車の中が暇だったから。
ページを捲るごとに浮ぶ雑言、思わず投げ捨てたくなる衝動。読んでる自分を周りに知られたくないという理性。そんな自分の姿でなんだか笑えて来る。こんなもの、人様に見られたらたまらない、それを読んでいる自分はひどく惨め、そんな気分、ああ私は駄目な人間なんだナァと思いマス。
流石ですサー。あらゆる感情を無理矢理、そして激しく引きずり出すサーに私は感服いたしました。電車の中で顔に様々な苦渋の表情を浮かべ、本を握りつぶさんばかりの力の入れ具合でページを捲っている人を見掛けたとしたら、それは私でしょう。七巻を出す気満々の作者を前に私は、もう許して下さいと懇願し、恍惚の表情を浮かべるようなことをしてしまうのでしょう。どこで私は誤ってしまったのでしょうか。