ハミザベス (1日目)

ハミザベス (集英社文庫)


栗田有紀さんのデビュー作。でっかい本屋まで探しに行かないと見つからない微妙なレア度です。作者自体も好きなのですが、この本お話にはハムスターが出て来ると聞いて、こいつは見逃せねぇと前から思っていました。ハムスターとか、好きだから。
ハミザベス、これはやつ(ハムスター)の名前らしい。イカスぜ。
嬉々として本編を読み始める私。確かにそこにはお話とは関係無しに動きまわるハムスターがいた。可愛かった。だがそれ以上に本編がシュール過ぎた。
とっくの昔に離婚した父親が亡くなり、遺産としてマンション一部屋とハムスターを受け取った娘の、その日付近のごくありふれた日常を静かに描写しているお話…だと思う。たぶん。母親からはずっと前に父親は死んだと聞かされていたり、引っ越した先に幼なじみが訪ねてきたり、昔付き合っていた人から電話が掛ってきたり、実は父親のキン玉は広げると一畳くらいあったとか聞かされたり、ハムスターは元気にしてるかと前の飼い主が訪ねてきたり、おいちょっとまてなんか変なの混じってないかキン玉がなんだって?さり気なくよく分からん事が書いてあった気がするんだが気のせいか。
軽く混乱しましたが作者の他の作品にも似たような雰囲気はありましたので、ああなんだいつものアレかとなんとなく納得して事なきを得ました。
二つ収録されているお話の内、取り敢えずハミザベスの方を読み終わり。もうひとつの方の「豆姉妹」がなんだか怖ろしいく感じるぜ…。