新釈 走れメロス (1日目)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

誰もが知っているという名作、「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」の5つを見登美彦氏が新たな解釈で現代の物語に仕立て上げたと噂される一品です。本当かどうかはまだ全部読んでないから知らない。
さて読む前に個人的に気になった事は、物語の元である5つのお話を予め読んでおいたほうがいいのだろうかという事です。私の場合は「山月記」と「走れメロス」くらいしか私はまともに読んだ事が無かったのですが、最初の短編が山月記だったのでとりあえず読んでみました。吹きました。確かに物語の構造は山月記を踏襲しているのですが、その他一切が無残なまでに阿呆になっており、作品に特別な思い入れがあるならむしろ読まない方が良い気さえしてきました。なんてことでしょう、いつもの森見登美彦氏でした。
続く藪の中は未読だったのですが、前のが見る影も無かったのでもう迷いはありません。現代の京都在住の大学生が新たになぞる5つの名作。なるほどこれはひどい新釈だと思いつつ、残りの短編を読むのが楽しみでしょうがないです。