【夢野久作】ドグラ・マグラ (5日目)

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)


ヒイヒイ喘ぎながらムリヤリにでも文字を追い続け、理解もヘッタクレもとうの昔になくなろうが、当たり前にそんな心など本も作者も知らないわけで、ひたすら続く文章にじっと耐え忍ぶばかり。かろうじて読めていたがやがて3行前の事すら危うくなり、やがて1文字前も憶えていられなくなっていた。というか漢字が読めていなかった。そもそも何も理解していなかった。もうダメかもしれないナア思った。

場所も話し手も文体もクルクル変わりながら今は何をやっているのか考えるのすら忘れた頃に、舞台がふと見覚えのある場所に転換した。一人の青年が紙束を読んでいた。そうだ、今までのは青年が読んでいた事件の資料だ。思い出した。そして話題は最近起きた猟奇事件へ戻り始め、殺人…犯人…等など聞きなれたやり取りが始まると意識が少しずつ戻ってくる。ここは探偵小説の領域か…なア…


щ(゚Д゚щ) うおりゃー!復活!


探偵小説の領域なら5W1Hの世界!誰が、何で、いつ、どこで、どんな目的で、どんな方法で!考える事はこれだけだからイケル!あ、でも自分そもそもミステリー読んでトリック見破った事ナイ!ヤッパムリ!

息も絶え絶えになりながら最後までページを捲る事が出来ました。ギリギリ読み流さずにすんだ…と信じたい。でももういいんだ、ボクは十分やったんだ。もの凄いパワフルな作品だった…。今度機会があったらマンガ版を読んでみよう。マンガ化など不可能だと確信出来るのに、それでもチャレンジした成果はとても気になるね!というか映画版もあるのか!なんてことだ。