きつねのはなし (1日目)

きつねのはなし (新潮文庫)

森見登美彦氏=モテない男の話ばかり書く人」の図式も今は昔。私が一月の初めに出版された氏の長女(夜は短し歩けよ乙女)を読み終えた頃は「もしやこの男、モテる男を書かないというか書けないだけではないか」と推測していましたが、あろうことか私が本を読み終わったその日、森見登美彦氏は自身のブログに結婚報告を載せていました。なむなむ!

そうかだから黒髪の乙女分がこの本に不足しているのか!現実で黒髪の乙女とやらを手に入れたから、自らの妄念で造り出す必要が無くなったというわけですか!
Ω<「いや、キミキミ。これは文庫化作品だから今年の話は関係なかろう」
Ω<「今年とは馬鹿め、氏の妄言通りにオナゴが竹から出てきて即区役所行きしたわけでもあるまい」
Ω<「初出は2006年…むむ、微妙な時期だな」
議論は続く。

まだ読み途中ですが、いつもなら「奇妙な物語+アホ」という基本姿勢なはずなのに今のところただの奇妙な物語で終わっています。これでも十分面白いのですが、「+アホ」でさらに楽しくさせてくれていたのが無いので少し不思議な感じです。まさか真面目路線に宗旨変えですか。ハハハ、なにをいまさら。

しかしこの短編集、各話が完全に独立したものではなくて少し繋がりがあるみたいです。嘘か真か分からないまま終わった話が別の話で話題に上る奇妙スパイラル。二番目の短編「果実の中の龍」の物悲しさが引き立ってとてもよかったです。真面目に行ってもイイね!

焦らずゆっくり今日はここまで、残りの二つを読むの本当に楽しみです。これこれ、この待ってる時間がタマランのよ。