恋の話を、しようか

恋の話を、しようか (ガガガ文庫)


今日もガガガ文庫よりお送りする。恋の話をしようか、そのものズバリなタイトルである。
見知らぬカップルの「実は僕たちテスト中の停電が縁で付き合う事になったんです」などというお惚気話を聞かされたところで、正直ハナクソでもぶつけてやりたくなるのが関の山である。だが少し冷静になって考えてみるとたかだか停電程度で男女が恋仲になっていたら婚活などというものはこの世に存在せず、逆に停電というシチュエーションからどうすれば恋仲に持って行けるのか気になってくる。私の貧困な想像力では、停電だ → いろいろあってメアド交換 → いつしか恋へ… と早くもメアド交換の前の部分に埋められない空白が存在してしまう。哀しいことであるが、それが出来たら小説家にでもなっているだろう。そこはプロに任せるからいいのだ。

そんな感じでちょっぴりドキワクしながら如何なるファンタジーが炸裂するか読んでいたところ、私の想像の空白を埋めたのは予想を越えるものであった。登場人物がタイトルに書いてあることを言いやがったのである。とんでもない持って行き方だ。

しかし突拍子もない出来事はそれっきりで、後は実に健全な男女4人のグループ交流が行われていた。もはや呪いに掛けられているようにしか見えないくらい主人公に惹かれていく昨今のヒロイン達に得体の知れない恐怖を感じている中、この4人の関係は安心するものがある。小さなきっかけとほんの少しの行動力、この積み重ねで次第にお話が進む様は4人の関係がふと気付けば変わってたようなさり気なさがあった。こういうのが自然な流れとでもいうのだろうか。

飛ばす気満々だったハナクソは4人の健やかさを前にして自分にぶつけることにした。彼ら彼女らの未来にちょっぴり羨望の眼差しを送りつつ、素直に応援することにしよう。いや、一人だけ例外がいた。毎朝の通勤時に交通機関の遅れがある度に本気で困ってる身としては、ある一人の行動だけはどうしても見過ごせないものがある。こいつにだけはハナクソをぶつけておこう。

この4人の中はいったいどう発展するのか。結末について書くような無粋な真似はしないが、これについてはどうしても漏れてしまった私の叫び声で代えさせて頂きたいと思う。


( ゚Д゚)  フ、フオォォォォォ!!