夜は短し歩けよ乙女 (2日目)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
素晴らしきかな森見登美彦
思わず唸るほどの理論立つ思考体系と泣きたくなるほど程度の低い議題がえも言われぬ魅力を持ち、ガキンチョ相手に全力を出して叩き潰される先輩の何と応援したくなる背中の事よ。
我が道を行くニブチン後輩ちゃんの可愛らしさは言うに及ばず、巻末の解説に寄せられたハチクロ作者の羽海野チカ先生贈る解説は、我が短い読書人生稀に見る素敵加減。
今度の男も極上のモテない男、やっぱり最後に実る恋路で読者を斬り付ける悪辣な手口も不変成り。しかし斬り捨てられた男の顔に張り付くは満面の笑み。
先輩よ恥を知れ。しかるのち死ね。げに楽しき二人に幸有れ。




もう半端無く面白かったよ。
森見登美彦氏が書く非モテ作品の中で極まったと言っていいほどの出来を見せて頂きました。多少毛の生えた程度の優劣は存在するでしょうが、同じ路線で今後これを抜き去る様な作品はないでしょう。
そして語るに泣ける強固に聳え立つ壁も見えてしまった感じがあります。
彼女がいた、彼女が出来た、彼女とデートの約束をした、までは辿り着くんですが、そこから先はいつもページが無くなっているというミステリーを解かない限りこの作品を越える事は出来まい。
非モテ男がデートをする日は来るのだろうか! (つД`)
森見登美彦氏は…描けるのだろうか!