【高野秀行】ワセダ三畳青春記

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

正月休みも終わって明日から仕事ですよマッタク。
ひたすらだらだら過ごした毎日の終わりにこの本をチョイスしたんですが、なんかいろいろ泣きそう。
ワセダのぼろアパート野々村荘、三畳一間(時に四畳)で過ごした十一年間の青春物語たぶん実話〜 という感じの話なんですが、冒頭で予告している通り最後には野々村荘を出ていくんですよね。大学生活の延長の様な愉快で無責任な生活との決別と新たな未来への門出ですか、その辺りの件が大学時代を思い出していた正月の生活とその一時の夢から目が覚めるのと被ってね。昔を思い出させるなんて卑怯だ、感傷に浸るに決まってるじゃないか。


中で書かれていることはとことん野々村荘に絞って書いてあるようで、住人との交流話が主となっていました。実際語り部の高野は探険部というのに入っていたせいか、最初から最後までしょっちゅう海外へ良く分からない事へ出かけてるようだし、フリーのライターやってたりテレビの仕事を手伝ってたりと話題には事欠かないハズ。そういう事に脱線せずに野々村荘の中で纏めたおかげで、タイトルに相応しいビシッと締まった一冊になっているように感じられます。高野秀行作品で紹介されてるなんだか怪しげな作品の数々が、海外での経験を綴ったものなんだろうね。これも合わせて読むと高野秀行青春記というサーガを形成するに違いない。


あ、いけね言い忘れてた、この本みんな基本アホだよ。
アホだけど馬鹿やるのって楽しいんだよね。思いっきり騒いで楽しんで日が暮れたらバイバイ、少年の頃からのこの図式はいつまで経っても良いもんだ。
お別れが悲しいのもやっぱり変わんないけどね (´Д⊂ヽ


この本の終わりから今年までで9年の月日が経ちましたが、ブログを見ると相変わらず海外に行ってる模様。
辺境・探検・ノンフィクション MBEMBE ムベンベ
元気そうで何より&変わってないんだなーと今日知ったばかりなのにしみじみ思う私。この密度の濃さはスゴイね。