【西条奈加】金春屋ゴメス (2日目)

金春屋ゴメス (新潮文庫)

時は近未来の日本。
科学がさらに発達した時代に人々は更なる新天地を求めた。
ある者は「最新設備の安心快適空間」が売り文句の月へ、ある者は絶賛鎖国中の江戸へ。


Σ(゜ロ゜ノ)ノ  日本国土の中に存在する独立国家、江戸国!?
レトロとか懐古主義ってレベルが凄いですな!懐かしめるほど長生きしてる人はいないだろうに。片や遺伝子レベルでお見合いが人気の日本、片やちょんまげに帯刀の江戸…文明の利器は輸入禁止だそうです。
時代に真っ向から刃向かうこんな文化を存在させるなんてね、そんな歪みっぷりに今回も無理やり引っ張り込まれましたよ。



さて、そんな江戸へ入国する我等が主人公の辰次郎君。もう長くはない親父の頼みで競争率三百倍の難関に応募したら一回で許可が下りちゃったラッキーボーイ。
どう考えても仕組まれてますが本人は気にすることなく入国するようです。
両親が昔江戸人だった事と辰次郎君が江戸生まれの事に何か隠されているんでしょう。


それにしても所々孕んでるジレンマで歪みまくりですなこの国。例えば近代医療を廃して自然治癒が主流の江戸国ですが、人の命がかかったとき何処まで情緒を取るか悩み所ですね。おまけに医学の発展は禁止してないようですから益々どうすんだ。
江戸での暮らしは特に不自然さがありませんから、輸入規制が滅茶苦茶厳しいんだなきっと。完全閉鎖国家江戸!M・ナイト・シャマランの映画か!

そこで起こるは江戸の危機、致死率なんと100%の流行病と来たもんだ。
わージレンマに正面から突っ込んできたよ!どうするよこれ、日本で最先端の治療受けちゃう?それとも感染者見殺し?


作者<ここで金春屋ゴメス召喚!
Ω <お奉行様のお手並み拝見いたします!