反逆者〜ウンメイノカエカタ〜 (2日目)

反逆者(トリズナー)―ウンメイノカエカタ (集英社スーパーダッシュ文庫)
神様は信じない癖に運命は信じる浩平君。
自分の予知能力で死を見てしまった護衛対象の少女。避けられない運命ならこの少女に心を向ける必要はない、そんな不毛は避けるべきだ、待ちうける現実が辛いなら痛みは少ない方がいいと逃げ腰気味です。
助からないと思うなら今すぐ息の根を止めなさいな。時間の無駄ですよ。
助ける気もなく、見捨てることも出来ない宙ぶらりんのままで苦悩する姿を理解したくもありませんね。
煩悶し続けた末、感情を自分で抑えることが出来なくなった浩平君が取った行動は護衛対象への死の宣告。「――君は、もうすぐ死ぬ」
自分の苦悩とその原因を護衛対象の少女に吐き出し、運命は変わらないから君のことも見捨てると言い放つ。自分の身勝手な考えを吐露した先に彼が望んだのは、彼女からの罵倒、嘲り、怒りに断罪です。

( ゚Д゚) こいつ最低だ!
護衛してくれる人が任務を放棄した上にお前死ぬよって言って来たんですよ。状況の雰囲気では、私なら裏切られたショックと絶望感で呆然としてますよ。怒って欲しい?自分が危ういのに他人を気にする余裕なんかあるかい。それでも微笑んだシアは逞しい人だ…。

細かく書くと長くなるからさらっといきますけど、
自分が死ねばシアに被害が及ばないと本気で考えてたハイムさんはバカですか。むしろ死んだら検体の彼女に敵が集中しませんか、してるじゃないですか。
組織を裏切ったのにわざわざ浩平君を待っていた貴方はバカですか。待っていた理由を聞いたら本当にバカでした。
あまりにもあんまりだったので離反人が真意を持って行動している事も考えましたが、そうすると真剣に信じて戦ってる浩平君がバカにしか見えないという事に。どちらにしろ減らないね…。
最後に優しい上司を見せた秋山さんも、血液型が同じなら誤魔化せると本気で思っているんですか。実は権力が凄いので何とかなるんだとしたら、碌に検査を確かめられない政府が無能になります。だからどちらにしろ減らないね…。




はっちゃけて楽しむには痛さが足りないよ!
真面目に読むには痛すぎます。
読み終わった気持ちは久しく出会えなかったものですな。レアだ。