【原田マハ】カフーを待ちわびて (1日目)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)
第1回日本ラブストーリー大賞受賞作!

面白いと聞けばあれこれ手を出す私ですが、あまり進んで読みたくないジャンルに時代小説と恋愛小説があります。ライトノベルも読んでるくせに、実はラブコメもけっこうキツいこと多いんです。

だからあえていった。

好き嫌いしてちゃ面白いものには出会えないもの!
時代小説にも面白いものがありました、ライトノベルにも面白いものがありました、だから恋愛小説にもきっと面白いものがあるはず…、とちょうどいい具合に分りやすい賞を受賞しているこれを読んでみようと思ったわけです。でも手に取った一番の理由は沖縄だから。(池上とか好きだからよー!)

はいそれで本の内容ですけど、始めの数ページで沖縄の空気(行った事無いから想像上)が感じられた時点でもうこっちのもんだと。
表紙の絵さながらの強烈な日差しに照らされれば、湿っぽい話も直ぐに乾くってもんですよ。沖縄だからこその自堕落な生活をする明青に暗い影は感じられません。なんくるないさーの精神です。

さて、日本昔話さながらの勢いで綺麗な娘さんが明青の家にやってくることで物語が動き始めます。絵馬に描いた「嫁に来ないか」の願を見てやってきたそうなんですけど、そんなものでふらりと沖縄まで来てしまう人に何か無いわけありませんよね。見ず知らずの人の嘘か冗談みたいな言葉についていってみようかな、と思うほどの出来事があった女性との生活は危うさを常に孕んでいます。
さて、それはともかく私もちょっと遠久島にいってくるかな…

悲しみが訪れても、強烈な日差しに照らされれば涙も乾いて風で流れていく、それが私の好きな沖縄。この先に何があろうとも、きっとそうなってくれると信じてます。
それに私が今読んでいる物語中盤、ここに幸せな時間は確実に存在しています。この気持ち忘れんなよ、明青!