かめくん

かめくん (徳間デュアル文庫)
――かめくんは、自分がほんもののカメではないことを知っている。――

よっしゃぁぁぁ!かめくん入手成功!
かわいいクマさんの表紙につられて『どーなつ』を手に取ったのが、北野勇作さんとの出会ったきっかけ。
その幻想的であまりに不安定な物語は私を大混乱に陥れました。な、なんなの?あれ?なに?(読んだ当時の言葉に出来ない感想)
そこから答えを求めるように『ザリガニマン』『ウニバーサル・スタジオ』読みましたが本質は変わらず、混乱を通り越してあるがままを受け入れる悟りを得るに至りました。今では立派なファンです。

このかめくんは日本SF大賞受賞作ということで、どーなつを読んだ直後の混乱の極みにあった時期に、「賞を獲った作品なら審査員受けする分りやすいテンプレがあり、何か解るのでは?」と考え探していたのですがあえなく絶版。泣く泣く諦めて数年後、ふとAmazonを覗くと絶版が解除されてお届しますになってるじゃない…、まさか。(そして二行目)

かめくんはカメの姿に似ているけど違うレプリカメ。二足歩行して働いてアパートに住んでます。日常生活を送りながらあれこれ考えるかめくんの物語は、日本SF大賞を受賞していてもいつもの北野勇作さんでした。もしすんなり入手できていたら当時の私の期待は裏切られたでしょう、けどファンになることは変わらなかったでしょう。
言葉にできないけど確実に何かの感情が揺さぶられるかめくんの姿。ああ言葉に出来ない、本能か反射の域で感じる物語は健在だー。

それでもこのかめくんは、話の形が分りやすい方だと感じましたね。(初めての人には無意味な意見ですケドネ!)
私的にはもっと浮遊感があってもい・い・の・よ。

そして現在、Amazonでは品切れとなっているようです。ゴメーン!最後の一冊買っちゃったのかも!
じゃあとりあえず私と同じように、一番強烈だった『どーなつ』を読んで大混乱することから始めようか…。