SPEEDBOY!

SPEEDBOY! (講談社文庫)


おう、舞城さんや!久しぶりの舞城さんや!相変わらずわけわかんねぇな!
「SPEEDBOY!」、そのあらすじを紹介するのはもはや無用です。物凄く速く走る少年のお話ですが、普通の話の展開にはなりませんし、普通の終わり方もしません。最初は陸上競技で世界記録をガンガン更新するレベルの速さでしたが、そのうちというかすぐにマッハを越えるしね。速くなるにも限度があるだろ〜なんて凝り固まった考えでは付いていけませんぜ。それだけ速くなった先でこそ見える新たな物語があるわけです。いや、別にないかも。るせー!細かいことはいいんだよ!
主人公くんの名前は成雄と言って、「獣の樹」とか「山ん中の獅見朋成雄」の主人公くんと同じ名前です。背中に馬の様な鬣があるところもいっしょです。でもたぶん別人。むしろこの本に収録されている6つのお話に出てくる成雄という人物が既に別人レベル。連作短編のようでそうでないような混乱の渦へと陥れられます。
でも正直言うと「成雄」という名前と「マッハで走る」と「背中に鬣がある」という特徴で何かお話を作ろうとして途中でいろいろ出来たお話を集めたよーな本の印象もあります。
ただ設定が常識離れしてるだけでなく、発想も相変わらず常識からぶっ飛んでいてなかなか面白いのです。
わけがわからんのですが、まだまだ舞城さんを楽しんでます。