龍ヶ嬢七々々の埋蔵金4

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金4 (ファミ通文庫)


ライトノベル売り場は戦場だ。今日も私は一般客が賑わう大型書店へと足を運ぶ。
店内の奥深く、半ば隔離されたように配置されたライトノベルコーナーには先客が二人。いずれも私服姿で高校生以上の20代くらいの若者。熱心に書籍の立読みをしている。中身の確認をしているのか、単に立ち読みで済まそうとしているかは分からない。ただ邪魔だ。この上なく邪魔だ。さて行くか。別に何もしない。
昔は彼らの作り出す雰囲気と、時折 近くを通り過ぎるうら若き淑女たちの視線に恐れおののいたものだが、今となっては「それより目的の本が買えない方が問題だ!」と純粋な意志の力に素直に従うことが出来るようになっている(でも長時間の滞在は勘弁な!)。若人よ、道を譲りたまえ。私は龍ヶ嬢七々々の埋蔵金4を探しに来たのだ。あれば買う。なければ諦める。手間を取らせるつもりはない。だからそこのファミ通文庫の棚から退きたまえ。私が若者の背後にぴたりと張り付き、目的の本を探しながらプレッシャーも与える。奴は動かない。本はまだ見つからない。動かない。見つからない…どこだ。立ち読みしている男の後ろから、まるで何を読んでいるのか見ようとしているような怪しげな姿勢で探すごと暫し、ようやく目的の本を見つける。思わず安堵のため息が出そうになる。しかしアンタ本当に動かないな!
そんなこんなで手に入れた龍ヶ嬢七々々の埋蔵金4。中身は楽しみにしているが、実はちょっと飽き始めているのは内緒である。作中の多くの要素は好きなのだが、どうしても最後に戦闘を始めるのが好きではない。というか無理やり入れてる違和感がある。きっと出版社側から提示されたノルマなのだろう。そんなものが3冊も続くと辛くもなる。世知辛いものである。
また今回も同じパターンか…と半ばヤケクソになりかけていたところ、始まったのは重要な登場人物の過去のエピソードだった。物語は一回休み、進展は次回持越しというわけだ。少し残念だ。
お話は龍ヶ嬢七々々殿のまだその辺の一般ピープルだったころの姿を語るものだ。初登場の時点でなにやら世界に名を轟かす正直アウチッ!なくらい凄い人物っぽく描かれていた彼女だったが、同一人物か迷うほど、よく言えば普通の元気な女の子の彼女がそこにいた。しょっちゅうおっぱいを揉まれる彼女がいた。話の流れを無視してもおっぱいを揉まれる場面が出てきた。明らかに読者を馬鹿にした、出版社からの売れるコツのようなノルマを課されているようだった。巨乳だった。擬音はむにゅだった。僕は馬鹿でいいと思った。おっぱいは何も悪くはない。
メインのお話がページの半分ほど入っていて、残りは短編が2つ入っていた。男の娘とはちょっと違うが、この男の娘は良いと思った。罰ゲームの結果は男らしいとは思うが、男が罰ゲームになっても面白くはないことが分かった。ここでこそ出版社のノルマを課して欲しかった。スクール水着を希望したい。もちろん男子用の海パンだ。(最高だ!)
だいぶ上品な感想となったが、話の進んでいない今回の内容はこんなものだ。次は少しくらいお話を進めて欲しいなぁ、いやいっぱい進めて欲しいなぁと思いながら今巻を読み終わる。