夏が僕を抱く

夏が僕を抱く (祥伝社文庫)



作者の豊島ミホさんは2009年に作家業を休業しておりますが、書きためた作品はもうちょっと出てくる。そんで休業していてもブログの方は更新をしていて、今何をやってるのかと覗いてみるとWEBでマンガを描いておられました。え、マンガ?
…あ、意外と絵が上手い。
そんな新たな領域に進んでる模様の作者さんの作品「夏が僕を抱く」より本日はお送りいたします。
タイトルに夏が付いてるなんて今の季節にぴったりだなぁとちょー単純思考で手に取ったこちらは、"幼なじみ"をテーマにした短編集となっておりました。6つある短編のどれにも幼なじみが出てきます。ついでに全部恋のお話でもあります。なん…だと…
幼なじみかぁ…と思いを巡らせば、ちょうどいい具合に私には男の子一人と女の子一人の、そんな感じの友達がいたことを思い出して想像も広がります。一緒に小学校を下校する時とかはもっと大人数でしたが、この二人は特に家が近かった。男の方は需要がないと思いますので省きますが、女の子の方はすらりと背の高いほどよく元気でほどよくお淑やかな子でしたね。彼女には弟がおり、そして私の方は当時人よりちびっ子でしたから、なんとなく公私ともに姉ちゃんみたいな印象を持っていた気がします。非常に優しい良い子でしたが、まあ人の悪口も言うときは言うし、私の悪行を教師に通報してくれたり(罪:縁石の上を歩いていた)と、なかなか強かな女の子でもありました。
もうとっくの昔に二人とも疎遠になっていますが、男の子の方は最近結婚するとかいうお話を聞きました。女の子の方は元気にやってるらしいがようわからん。何かあったらご近所さんニュースで広まってしまう地域ですので、特に悪いこともないのでしょう。うむ、それで十分。
この「夏が僕を抱く」は、恋人でも兄弟でもない、そんな幼なじみとの恋の模様が描かれた短編集です。正直言うとヤるかヤられるかでいっぱいいっぱいじゃねぇかと思わんでもない内容は、幼なじみってそんだけじゃないだろうと思わんでもないですがまあいいや。いいよね、幼なじみ。