【宮ノ川顕】化身 (2日目)

化身 (角川ホラー文庫)


第16回日本ホラー小説大賞作品の残り「幸せという名のインコ」も読み終わりましてこれにて全て終了ですな。
最後のこれは、実にシュミの悪いまっとうなホラー小説でしたね。ごく普通の家族が一羽のインコを飼い始めてから遭遇する奇妙な出来事の数々。じわりじわりと空気が悪くなっていくのを感じる薄気味悪いお話でした。
ただ、作者さんがおじさまだという事が色濃く表れている作品でもあります。主人公がちょうど高度経済成長の頃の出身者なんですけど、若い時期の好景気も陰りを見せ次第に減り始める収入、娘の進学に合わせて増えていく出費…辛いなー、なんていう感じで進んでいくお話なのです。いやー、もうバブル世代の愚痴の小説なんて流行りませんって!2000年ももう10年も過ぎてるんですから、いい加減グチグチ言うのを止めて前に歩いて行ってほしいですねと個人的には思いますな。
だって主人公のおじさんが一番辛いと言っている時期から、俺とかの世代が仕事を始めてるんですよ…夢も希望も感じないじゃないか…。
と言うわけでまっとうなホラーいう感じでお話的には面白く出来ていますけど、個人的にはクソッタレなお話でした!ちくしょー、ハヤクシネじゃねーよ!これから生きていくんだっつーの!
以上、終了!
少し対象年齢が高めに行きがちな人だという事はわかった!