【神林長平】アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (2日目)

アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)


た、戦わねぇ…。ページのほとんどは禅問答のようなやり取りでひたすら埋め尽くされていました。たかだか扉を開けるだけでも敵の罠かもしれないとか、いや敵の思惑からいけば開けても大丈夫なはずだとか、我々の見ている扉は本当にリアルな姿なのではだとか、自分の意志ではなく実は操られてこの扉の前に来たのではないだろうかだとか、それは君の希望的観測なのかだとか、それともなんたらかんたら…と、まあ扉の前で長い長い。
これはもう完全に作者の興味が空中戦よりも、正体不明の異星体への定義と考察へと変わっていますね。意識!知性!現実!それってなーに! そこで繰り広げられる人間ドラマは複雑というかまどろっこしいのう。
10年分の重みというのですか、そりゃあこんなにぎっしりあーだこーだ考えるには時間がかかるよね。
でもまあ結論は結局闇の中なんですよね。まだまだ戦争は続くよー!という感じで終わります。次の10年くらいじっくり味わって考えていられそうな内容では…ある。