【京極夏彦】豆腐小僧双六道中 ふりだし(2日目)

文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし (角川文庫)


読み終わり。
むむむ…これは物語と言うより物語形式の妖怪解説本かな?出てくる妖怪たちが自らの由来を事細かに把握し尽くしていて、物語の進行役の豆腐小僧に様々な講釈をしていくのが基本的な作りなようです。ページの大部分は妖怪解説に項目が割かれていますね。また作者独自と思われる妖怪解釈がなかなか読ませる内容です。
肝心の「一見なんの役にも立たない豆腐小僧という妖怪の存在意義は?」という疑問については、思わず唸ってしまうほどの素晴らしい解釈が作中でされました。何が素晴らしいって、豆腐持って立ってるだけの小僧が妖怪の完成型だと結論付けてしかも理路整然とした説得力があると言う。こんな奴が完成型って!豆腐小僧の間抜け面から、なんか凄い高貴な品格が漂ってきてるよ!
作者さんが妖怪に詳しいのは知ってましたけど、ここまで語れるのはやっぱり凄いねー。