【伴名練】少女禁区

少女禁区 (角川ホラー文庫)


昨日に引き続き最近の日本ホラー小説大賞作品を読みます。日本ホラー小説大賞は全部で3つの賞を用意してありまして、大賞は単行本に、長編賞と短編賞は文庫本になって出版されます。何故ばらつきがあるのかは知らない。要は大賞受賞作は文庫本落ちするまで2,3年かかるので、私みたいな文庫本しか買わない小市民は昨日の長編賞と今日の短編賞受賞作を読んだらお終いってことさ。大賞は覚えていたら数年後にまた会おう!
そんな感じで短編賞受賞作のこちら「少女禁区」。短編2つ入り。
2つとも比較的若い少年少女がメインであらせられます。あら、影のある女の子ってワタクシ嫌いじゃなくってよ?それに襲うにしても襲われるにしても可愛い方が興奮(略
さていっこは話はようわからん感じでも雰囲気満点で悪くは無いんですが、もういっこの短編「少女禁区」が雰囲気満点でさらにインパクトの強さが違う。だって類稀なる呪いの才能でガンガン攻めてくるドM御用達のお嬢様ですよ奥さん!歳は12と若干心許ない感じですが美貌の方は保証付き、むしろその若さが良いっていう方もきっといらっしゃるに違いない。さあさあそこのお兄さんもこっちきんしゃい。
あまりに呪う力が強過ぎるため村でもめっちゃ怖がられてる娘さんが、訳あってある少年の家に居候することになるというもしかしてこいつはエロゲじゃねぇかっていうお膳立てがされるんでさぁ。ただここは角川ホラー文庫の世界であるのを忘れちゃいけねぇ。呪詛を用いた数々の嫌がらせはご褒美と言うか割と本気で我々の世界でも拷問ですの領域に入っているので注意が必要です。だけどその若干引くくらいの嫌らしさが私の求めていたものよ。それに理解を超えてはいるけどこれも愛の形に違いない、常軌を逸したハートフルストーリーがたまりません!
だからこそだんだんと理解出来る愛の形にお話が移って行ったのには残念な気持ちもあり、最後には理解どころか分かりやす過ぎる愛の形で締められたのは台無しとは言わないまでも甘過ぎて死にそうでした。そこは「やっぱアイツは未来に生きてんな」と思わされるくらいの衝撃的な終わり方をしてくださいよ!面白かったですけどちょっと違うの!