NECK (2日目)

NECK (講談社文庫)


たぶん今も公開中の映画「NECK」の原案となった脚本入り単行本。短編集と言うより、一つの短編小説と3種類の脚本入り作品集とはっきり言ってくれた方がスッキリする本でしたね。全部、「首」と「怪現象」が共通してストーリーに絡めてありました。
一つは舞城さん書き下ろしという、いつもの作者の持ち味が楽しめる作品。内容はわけがわからん。
次の一つは後に舞台化されたという作品。これまたわけがわからん。
その次は雑誌に掲載したというモチーフが一つ前のによく似ている作品。わけがわからんが慣れてきた。
最後の一つが映画版「NECK」の原案という作品。もうめちゃくちゃが楽しくなってきた。
ジャンル的にはホラーと言った感じの印象を受けるでしょうか。一応作者はミステリー出身という事もあってか若干の推理的要素を入れてきているようなのですが、バカミスでもアンチミステリでもない何か別の凄いものへと変貌しているため推理物と言うには冗談はよし子さんです。でも前からそんな素質はあったから別に驚かないよ!
あと3つの脚本はやっぱり脚本だから演技とか演出込みで楽しませるように出来てるなぁと当たり前の感想です。読むだけではやはり物足りないかぁ。
でも噂の作中作家「越前魔太郎」でなかなか良い収穫がありました。スピンオフ展開している魔界探偵シリーズのあらすじではイロモノ臭しかしなかった探偵の冥王星Oですが、予想外にカッコ良くて笑いました。ついでに映画の実写版冥王星Oも想像以上にカッコ良過ぎて思わず吹いた。スゴイ!少し前まで誰が買うんだと思っていた魔界探偵シリーズですが、どうやらターゲットはこの俺だったみたいだよ!全部読んでみるのも悪くないかなと思っちゃったから困る。やっぱり8冊も読むのは面倒臭いという気持ちもあるし。 迷うなこれは!