一瞬の風になれ 第一部 ―イチニツイテ― (1日目)

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)


佐藤多佳子さんの本がかなり好きだと言っている私なのですが、実は読んだことのある本の数は結構少なかったりします。
作者の書くお話はどれも非常に面白く、爽やかな読後感を約束してくれます。もちろんお話の中には辛い出来事や哀しい出来事も盛り込まれており、読む者の気持ちを揺さぶり不安にさせるような展開に陥る事もあります。それでも諦めずに前を向き続け先に進もうとする、そんな力強さを持ったお話をしっかりと期待に応えた形で届けてくれる素敵な作者さんなのです。作者の描く登場人物のだれもが、そういった純粋な気持ちの持ち主でもあるのです。
ただ私のような心の濁ったものはあまりに綺麗なものに浸かると死んでしまうので、迂闊には手を出せませんでした。特に小中学生の頃絶望的に体力の無かった私にとって運動系の青春ストーリーはもはや鬼門。佐藤多佳子+青春陸上小説というガチ過ぎる組み合わせに至っては、考える余地もなく期待に応えた内容が詰まっているに決まっています。ボクには眩しすぎるよママン…。(そういえば同じ佐藤多佳子ファンのママンは単行本で既に読んでいたっけなぁ)
そして人生、たまには死ぬのもいいもんだ。どうせなら最高のものを読みたいもの。それならこの作者以外にありえませんね!
月夜の晩にーヤイサホー。死ぬにはいい日だ。
文庫本3冊にも及ぶ長編です。今週いっぱいヨロシクだぜ。