【紅玉いづき】ガーデン・ロスト

ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)


デビューした時から明らかに一人電撃文庫で浮いた存在感を示していた紅玉さんが、メディアワークス文庫に来られた。作者にこの場所はよく似合ってると思いまする。
今までファンタジー作品を描いていた作者ですが、今回初めて現代小説にチャレンジしたとの事。高校生4人娘の苦しくて痛々しくてやりきれない想い満載のハートフル青春ストーリー。いやん、ドロドロした雰囲気は無いけれど鬱屈しまくりなのよん。そして楽しいお話では無いけれど、おもしろかった。登場人物たちはどれも架空の存在でも、その表現豊かな心境小説っぷりは思わず読ませられてしまいます。読む前の期待を裏切りません。
しかしやっぱり作者には童話めいたものを描いて欲しいなと思ったりします。おもしろかったけど、ファンタジーを描いている作者の方がもっと輝いていますもの。