【小川糸】食堂かたつむり (1日目)

([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)


同棲していた恋人に全てを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった―――― (裏表紙あらすじより)

ちょっぴり悲しいけど新しくて素敵な日々を予感させるあらすじに惹かれて購入。なんだか心温まるやさしいお話が期待出来そうじゃない?今なら多少ベタなくらいでもイケる気分だしぴったりだネ!(現実逃避したい的な意味で)

OK、ブラザー。そんな感じにプラス印象で読み始めたんだがいきなり躓いたんだ。いっぺん本編を読んでみただけなんだが、なんで恋人がいなくなったのか、なんで家の中がからっぽなのか、それでなんで十年ぶりに実家に帰ろうと思ったのか、それらがさっぱりわからないままどんどんお話が進んでいくんだ。え、どいうこと?どこか読み飛ばしちゃった?
話の取っ掛かりである恋人の事も、死んだのかいなくなったのか別れたのかよく分からないのに、さも読者には説明したかのように話題がどんどん流れていってなんとも歯痒い状態です。
そうこうしている内に、あれよあれよという間に食堂が出来てしまって物語の準備は万端に。オゥ。採算も計画性もよく分からないまま出来てしまって、正直この食堂の未来には不安しか感じないのですが…。だって一日一組ですよ。金儲けじゃなくて趣味?…なのかもよくわからんし。大丈夫かこの店。