【有吉玉青】渋谷の神様 (2日目)

渋谷の神様 (新潮文庫)

何かと悩める人たちが、赤いキャップと白いつなぎのあんちゃんからティッシュを貰ってちょっとした転機を迎えるお話でした。全部で5編入りの連作短編集。
何はともあれ、落ち込んでいる人が前向きに変わる姿は見てて良いものだなと思いますね。渋谷の神様ことティッシュペーパーボーイでどの程度のきっかけが訪れるかと言いますと、ティッシュの手渡しに手間取って足止めを食ったりティッシュの広告が目に留まったりするくらいの、まあ些細なものです。でもそんな些細なきっかけが転機だったんだなぁなんて、後で思い返したら笑っちゃうような思い出もちょっとス・テ・キじゃない?
しかしこの短編、良い話風味を装っているけどさり気無く犯罪チックな出来事を混ぜてやがります。…ハッ、いかん騙されるところだった!なんという策士だ。
最後の短編だけは本当に良い話で終わってくれましたよ。一個くらいあってヨカッタ。