【道尾秀介】向日葵の咲かない夏 (2日目)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)


きのうの続き。


序盤の犯人暴露は大抵ミスリード。不利な証拠や動機がわんさか出て来ても、実は真犯人は別にいるってのがお約束というもんですよ。
…ほんとに犯人別にいるのかなぁ。ここまで材料が揃ってて、ひっくり返す事が出来たら凄いぞ。


最初の頃に比べて、中盤は展開が結構平坦な印象。まあ、決定的な証拠みたいのが見つからなくて足踏みしてるんです。
だってミチオは小学四年生だかんね。行動力にだって限界はあるさ。
おまけにこの短期間にショッキングな出来事が多すぎた。一生に経験するかしないかの大事件に巻き込まれちゃあ、心に余裕が無くなるのもよくわかるね。
でもさすがに級友ぶっ殺そうとしたのには背筋が寒くナッタゼ。冗談だって笑うにも限度があるし、取り返しのつかない事になってたら心が痛かったぞまったく。


それに比べて妹のミカちゃんといったら…
お兄ちゃんの言いつけはしっかり守るし、お兄ちゃんを圧倒する洞察力を発揮するしでなんて頼りになるんでしょう。
惜しむらくは人生経験が3年という短さ!聡明な頭をサポートするだけの経験がどうしても足りないんです!
しかもこの子は頭が良いだけじゃなく、他人を思いやる心も持っているし失敗を許すだけの寛容さを持っているという。ちょっと生意気なのは可愛らしくていいじゃないですか。
これは実に将来が楽しみな女の子ですね。


(´;ω;`) ブワッ