【絲山秋子】沖で待つ

沖で待つ (文春文庫)

久し振りのブログの緑色が目に優しい。
取り敢えず薄かったからこれ選んでみた。絲山秋子…むう、海の仙人の人か。で、これは芥川賞受賞と。
それ以外何も思い付かないのでさっさと本編にでも…。あ、唯でさえ薄いのに短編集だ。


勤労感謝の日
さらに文字まででかいとは。手軽に読みたいときにこれほど適したのは無いね!中身は負のオーラで満ちてましたけど。
失業!アラフォー!
( ゚д゚)  そして夢も希望もねぇ…
なんだか知らんが女性総合職は苦労が多い事は分かった。そんな事を思う営業職とは遠い場所にいる私。職種も違えば時代も違う、ほんと別の世界の出来事みたいだ。
…いや、むしろ30代になった時の事を考えると、別の世界の出来事になってくれと…。



沖で待つ
これも総合職の話かぁ。というか作者プロフィールにある職種とモロ同じ舞台じゃないの。これは…実体験か!
働いて働いて、失敗して飲み屋で愚痴言って、同期の仲間と仲良くやって転勤で離れて行って…。オウ、正に青春の1ページね。
大変だけど楽しい雰囲気が伝わってきます。でも巻末の解説読んだら、作者はお仕事ドロップアウトしてました。
と言う事は、この続きは勤労感謝の日なのかよ!
( ゚д゚)  夢も希望もねぇ…
まあどことなくほのぼのとした雰囲気が心地良かったです。
HDDのデータに関しては、けっこう話に上ることも多いんじゃないでしょうか。自分の場合頼まれたら、「元の場所に戻すのが筋じゃないかね。ちゃんとネットに放流しといてあげるよ」と提案してます。いろんな意味で長く生きてくれるに違いない。



「みなみのしまのぶんたろう」
うお!全部ひらがなで何とも童話チックですな!「みなみのしまのぶんたろう」かぁ。むかしむかし…オウ、なんだか懐かしさを感じさせる始まり方ですね。
なになに…「デンエンチョーフというまちに、しいはらぶんたろうというおとこが…」。デンエンチョーフ…?田園調布…
( ゚д゚)  とっても…俗っぽいです…
本文によると10歳前後が対象年齢らしい。
試しに知り合いの10歳と162ヵ月の男の子に読ませてみたら、「ひらがなだからよめるけど、とてもいみがわかりにくかったです」と言ってました。
でもこの話かなりスキ。良い所で終わらせんなー!!
(平仮名ばかりで読みにくいので「しいはら」と「いしはら」を間違えやすい。これは明らかに作者の罠だ!)

〜〜〜
私小説の趣が強い感じだったせいか、解説で聞ける裏事情を知ると印象がまた違うね。