ジェネラル・ルージュの凱旋 (1日目)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

新作早っ!
チーム・バチスタの栄光が出た時は文庫化するまでのんびり待ってた身なんで、当時の作者の刊行ラッシュが今頃になって影響してきましたよ。
えーとこれは田口・白鳥が活躍する話としては3作目で、時系列的には2作目の「ナイチンゲールの沈黙」と同時並行なんですと。外伝らしいけどどう見てもシリーズの一つ「螺鈿迷宮」は内容がリンクしてたのは覚えているんだけど、時間軸が重なってる部分はあったけなぁ…これより未来の話だったハズだけどどれくらい先かあやふやだ。

まあとにかく、それほど離れてない期間で「ナイチンゲールの沈黙」と「ジェネラル・ルージュの凱旋」と「螺鈿迷宮」という3つの物語が展開されている訳ですが、この病院は短期間でどんだけスキャンダルを抱えてるんですかって話ですよ。
正直言って…探せばたぶんまだまだ出てくる。
このシリーズの特徴はやけにディテールの凝った院内描写なんですが、飛び交う専門用語に医療問題に病院財政にと密度が濃すぎて全体がさっぱり分かりません!でも四方八方、一分一秒、常に一杯一杯の様子だけは分かります。一寸先はスキャンダル…かもしれない爆弾みたいな病院は、お伽噺と割り切ってもいいものかと結構迷う。


人の生き死にに関わる特性か事件が多すぎて、今度の事件も「また一つ厄介事が増えた」程度に埋もれかねない恐るべき空間。恐るべし病院。
あんまり大事にならないといいなぁと、病院関係者に同情したくなってます。さてさてどうなる事やら、ですね。
ただ今の懸念は、話の密度が濃すぎてシリーズを重ねても未だに誰が誰だかよく分からないことです。