もて?モテ! ある日突然モテ期になった!

もて?モテ!―ある日突然モテ期になった! (MF文庫J)


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そうですね、タイトルって言ってみるならば本の顔ですよね
本編に比べると些細な文字数しか与えられていませんが、そこに込められた思いは雄弁に語りかけてくるんですよ
私はそんな子達の、棚に並んでいる個性的な顔を眺めながら、この子は元気いっぱいで楽しそうだなとか、こっちの子は大人しめでしんみりと話してくれそうだなとか、あれこれ想像しながらひとときのパートナーを探すのです



え?あの子を初めて見た印象ですか?
いつの時代も、お客さんの目を引こうと奇抜なタイトルのものはありますからね
最近では4文字のものが流行ってましたか、それはマンガだったかなアニメだったかな
ハハハ、すみません、記憶が曖昧で
まあ、いろいろある世の中なので別段珍しいとかは思わなかったですよ
そうですね、ただ単純に

――これはひどい

そう思いましたかね


どうしてこの本を読んでみようと思ったのかって? んー
気になった、そうですね、ちょっと気になっただけですよ、これはどれほどひどいんだろうとね
その気持ちに気づいたらあとはレジにまっしぐらでした
え?いつもライトノベルを書店で買っているのかって?私はいつも書店買いですよ
ふふ、会社勤めをする年齢になってラノベコーナーに行くのはちょっとした冒険ですよ、このあたりの葛藤はラノベ部では書かれていませんでしたね
まあ、あっちは高校一年生の女の子でしたからそれが普通ですよね


そんなこんなでページを捲ってみるとですね、これが本当にひどい
主人公の彼は非モテ以前に頭が非常にかわいそうなんですよ。そんな彼でもモテモテにしなくちゃならないとは大変だなぁとか思ってましたけどね、魔法のアイテムで好感度がブースト掛っていきなりゴールするんで問題ないんです
魔法がなくても潜在的ハーレム状態なので、ある日突然モテ期になったという看板もね、満足に出来ていないんですよね


あぁ、だからタイトルが「もて?(潜在的ハーレム状態)モテ!(魔法ブースト状態)」なんですね



これは私の期待に満足に応えてくれた素敵な本でしたね
いやー、ライトノベルって本当に面白い
こういう作品に出合うといつもそう思うんですよ