【北山猛邦】『アリス・ミラー城』殺人事件 (1日目)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

どこからどう見てもミステリーなタイトル。しかも孤島が舞台と来たもんですよ。
いやっほう!ここまであからさまなものって逆にわくわくするよね。21世紀になってもそして誰もいなくなったに挑戦するのは何故か。作者は何を思いついたのか気になるじゃないですか。
よーし、3日位かけて今回もあれこれ推測しながら読んじゃうぞ。トリックの無茶苦茶具合って面白いよね。いっつも当たりゃしねぇ。
あ、私はミステリ愛好家でも何でもないです。



〜〜
ここは海に浮かぶ小島、その名も江利ヵ島。舞台はそこに建てられた「アリス・ミラー城」で始まります。前フリも無しに続々と島に到着する登場人物達。そしたらいきなり中の一人が「皆さんと同様に、探偵の一人です」と言い放ちやがりました。なんてこった!集まったのは探偵ばかりのようです。もう事件が起こる気配が満々です。
あれこれしょうもない理屈を付けながら、早速くどくどと島の様子を推理し始める彼らはまさに絵に描いた探偵。あげくに今回の状況をクローズドサークル系のミステリーと見立てて、殺人云々について話し始めました。自分の身の危険を論じておきながら、ぽこぽこ殺されていったらおマヌケすぎですな!HaHaHa!


何故探偵たちが集められたかというと、アリスミラーとかいうものを探すためのようです。何とも不可思議な事が多すぎですな。城の主がルール説明とか言って「アリスミラーを手に入れられるのは、最後まで生き残った人間のみ」とかとんでもない事をさらっと言ってのけても、みな飄々としてやがります。なんだかロールプレイでもしている気分ですな。むう、これはアトラクションの一種ではないのかと思えてきましたぞ。なるほど、そう考えれば私と登場人物達の危機感のズレも当然と言えますな。七度尋ねて人を疑えと言いますからね、事実をよく確かめた上で行動すべき…


さっそく一人逝ったー!


この人たちは自殺志願者ばかりなのですか!あんだけ殺人について議論をしておきながら、碌な対策しなかったからやられてるじゃん!
じいさん、チェス盤をひっくり返してる場合じゃないよ。そんなの死因に関係ないからほっときなさいよ。
駄目だこの人たち、密室について考えるばかりの安楽椅子探偵ばかりじゃないか。自分で積極的に動きゃしない。
今重要なのは密室の謎じゃないでしょ!犯人は誰かでもない!
どうしたら身を守れるかでしょう!


ええい、こんなやつらと一緒にいられるか!私は一人で寝る!(バタンッ)