【神山裕右】サスツルギの亡霊 (3日目)

サスツルギの亡霊 (講談社文庫)
南極!ブリザード!クレバス!
兄の死の真相を探るため(なんとなく)引き受けた南極での撮影依頼。時を経ても兄の死が影を落とす越冬隊と行動を共にした拓海は、(のこのこと呼び出された先で)何者かの陰謀によって殺人の容疑をかけられてしまう!
自分の無実を晴らすため、兄の死の真相を(ついでに)探るため、ここ昭和基地で(主に外の環境が)壮絶で(人間関係が)孤独な(男の)戦いが始まろうとしていた!



OH,なんという冒険小説。過酷な自然環境ゆえに何よりも暖をとることが重要で、凍傷と常に隣り合わせの緊張感。外に出れば吹雪で視界が閉ざされ、こっちは即遭難の危機と隣り合わせの緊張感。ああ、後は野生動物の脅威だ…とか思いましたが有力候補のシロクマさんが南極にいないため叶わず。個人的にちょっと残念。
舞台の昭和基地ですが、崖っぷち生活、だけど資材の蓄えは万全!みたいな感じで辺鄙なところで暮らす分、生きるために必要な細かい心配りがしっかりされていました。うむ、結構しっかりした施設じゃないか。そんな昭和基地をリスペクトするため、上のあらすじで生活が過剰に酷くならないよう表現してみました。おや?なんか主人公が間抜けに見えるぞ…?

2時間ドラマ構成のように、陰謀ありアクションあり家族愛ありの基本セットでママも安心さ。
最後は犯人の口から全てが語られるあたり、良く分かってると言わざるを得ない。
あと広大な密室というキャッチコピーの定義がフリーダム過ぎると言わざるを得ない。でもこれは考えたの編集者の可能性が高いですよね。…なんか新たな世界が開けたから許す!



この世で起こった殺人は、すべて地球という密室で起こっていたんだよ!
Ω<マジか!
Ω<落ち着け!
Ω<どういうことだ!