【神山裕右】サスツルギの亡霊 (2日目)

サスツルギの亡霊 (講談社文庫)
私的、ミステリー心得ー!
・当てずっぽうで犯人を選ばない!
・しかし自分の直感は信じるべし!
この二つを胸にして、今日も行くぜ極寒の地、南極!
渡航中に発生したぼや騒ぎに、船室を荒らしていった謎の人物。兄の事故を何らかの形で未だ引きずっている様子の隊員たち。自分が越冬隊の密着撮影のカメラマンに選ばれた理由に漂う思惑の匂い。昭和基地についてからも発生する事故、セスナ機炎上。きたきたきたー!
明確な悪意が少しずつ感じられてきましたね。良からぬことを考えている者がいる事は確定しました。この越冬隊も無事に任務が終えられるかどうか怪しいところです。ふふふ、しかし然は問屋が卸さないぜ犯人さんよ。ここに一人、犯行が行われる事を確信して、始めっから周りを窺っていた男がいることを忘れちゃいけないぜ!この超フライング気味のスタートダッシュを決めた私は、まだ見ぬ探偵共の遥か先を行っている自信があります。おまけにまだまだ犯行が行われる可能性は、ミステリーの展開上非常に高いです。読者ならではのチート情報です。天気予報風に例えれば「事故のち事件、犯罪確率は99%、所により血の雨が降るでしょう」ぐらいの確定情報。いまからあたしがねこそぎ全部、あんたの計画あばいてやるよ!(©雛菊ねえさん)

これまでの情報を総合!怪しい人物のピックアップに、事故を起こした理由を捜査!キーマンである兄を推理の主軸に備えて、物語の約半分にて私が導き出した解答は…!
あ、あれ…?これ犯人当てミステリーじゃないっぽい?
考えるというより、何者かの陰謀を匂わせてドキドキさせるサスペンス調の展開が続いていますよ。
や、やるな犯人!展開の操作を行って推理の材料を残さないつもりか!
うん、これじゃ手も足も出なくてもしょうがないよね。