魔王

魔王 (講談社文庫)
ちょっと不思議な話や変な話好きとしては、伊坂幸太郎は外せないよね!
私も新刊が発売される度に購入してますよ。もちろん文庫オンリー。(みんな貧乏が悪いんじゃ)
ですから今日は、今月文庫化した魔王を早速読んでるわけです。



タイトルにでかでかと躍る魔王の文字。人と異なる種族や勢力の頂点にしばしば君臨し、世界に破壊と混沌をもたらすラスボス的存在を表す言葉ですな。そして始まる物語、時はまさに現代の日本、主人公は会社勤めのサラリーマン。魔王とサラリーマンという全く不釣り合いなこの二つが、どのように合わさりどのような物語を綴るのかワクワクもんです。相変わらず伊坂氏の選ぶ題材は挑戦的です!大好きです!
中身は実に政治的内容が多いです。強力なリーダーシップを持つ首相の誕生を望む国民、という要素は文庫化のブランクを物ともしない鮮度を持ってますね。喜ばしい事でもあるし喜ばしく無い事でもありますな。

それに今時の若者を痛烈に批判する記述を散見する度に、どうもスイマセンねーと改めて自分を見つめ直してみようかと思わせられました。物語中の政治家、犬養が言った言葉「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」が印象的です。ネットをやっているときも意識して考えてはいるんですが、何分Google先生は優秀だから疎かになっている時があったりするんだよね…。ここは改めて気を付ける事にします。

なんだか色々曖昧な話でしたけど、仲の良い兄弟を見てるだけでも十分満足。勝手にあれこれ解釈するのもまた楽しいですな。
文庫版のあとがきで、この本に収録されてる「魔王」と「呼吸」に連なる作品として「モダンタイムス」が2008年の秋に発売予定だそうです。
OK,私の意地とプライドを賭けて文庫化まで待ってから即回収ですな!(だから貧乏が(ry )
待つ辛さもファンだから耐えられるのよ…
…って、ファンとして矛盾してね?