ナイチンゲールの沈黙 (2日目)

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
ナイチンゲール、白衣の天使…
本書で描写される医師と看護師の現状と患者との人間ドラマを見ると、自分の入院経験と重ね合わせてしまいますね。
人の生死が色濃い現場で一分一秒を争う医療は、戦場と例えられるのがよく分かります。その中でさらに理想と現実とのギャップに苦しんだり医療の可能性と限界で行き詰ったり患者が元気になる様子に勇気づけられたりするわけですから、それはもう濃いドラマが繰り広げられているに違いないんですよ。
でも人と密接に関わるからこそ気苦労も絶えないでしょうし、病気に昼も夜も無いですよね。患者だって十人十色で困った人やひねくれた人も多いでしょうきっと。お医者さん看護師さんご苦労様です。
そんな気持ちを幼少から持っていたから私は、注射されても泣かず、ベットで騒ぐこともせず、病院食も残さず食べ、看護師さんに不必要な迷惑をかけることのない入院生活を送ったんですがほんとに何も起こんないんだよね。
あ、あれ?優しい看護師のお姉さんに「今日も残さず食べて偉いね」と褒められたり、「今日はいい天気だからお散歩にいこっか?」とか誘われたり、夜に見回りに来たとき「どうしたの眠れないの?しょうがないわね、それじゃあ…」みたいなイベント一切ナシ?局を仕切るボス婦長も?ガサツでだらしないけど腕は確かな女医さんは?
…うん、そもそも入院するほど病気で体が弱ってるときって辺りを見渡す余裕なんかあるわけ無よね。所詮白衣の天使なんてファンタジーなんだよ!


私の看護師との思い出 〜お体拭きましょうね編〜
若いお姉さん看護師 → 「このタオルで拭いてください。自分で出来ますよね。」
おばさん看護師   →  問答無用でひん剥かれる。「ヒィィ、自分で出来ますから!大丈夫っすから!」



えー、肝心のナイチンゲールの沈黙ですが上巻が読み終わりました。小児科病棟に多めにスポットを当てながら、病院全体で起こる様々な問題とそのドラマだけでも相当面白いです。さらにひねくれ患者達とのハートフルなドラマが加わり、このままの路線でも十二分にオッケー!な感じだというのにその上にミステリがプラス。おいおいどんだけ贅沢なんですか。それにまだヤツが出てきてないし、この全ての要素がうまく調和してくれたらどれほど素敵なものになるか!楽しみでしょうがないです!