【木内一裕】藁の楯 (2日目)

藁の楯 (講談社文庫)
殺せば十億が貰える、それに相手は殺人鬼でむしろ殺してしまった方がいいんじゃないかと思うような人間。
必死に警護をするSP達の姿を見せられながら、これならあなたはどうですか?と問いかけてくるようなアクシデントの数々。
優先すべきは感情か、矜持か、任務か、打算か、世論か、道徳か、保身か、
無数の思念が渦巻かざるを得ないこの難問に幻惑される私。
もうこんなの言葉に出来るわけないじゃない。
何でか解らなくなりながら守り続けるSPの気持が、よーく分かります。


まだまだ作者のアクションが止まりません。
物語の後半に起こる緊迫の展開。この瞬間私が感じた問いは
これでもあなたは殺しませんか?
へと遂に辿り着いてしまいます。
作者…
よくここまでの状況を造り上げてくれた!
今回はあるケースに絞って物語が展開してくれたことで、最後まで一本ビシッと通った話になったんだと思っています。
とことんエンターテイメントに走ってくれたからこその、進退きわまる状況の数々がね…
ほんと、人の生き死にに関わるような状況がね…
そのね…
とっても面白かったの。(すんごい誤解されそう)