【有川浩】空の中 (4日目)

空の中 (角川文庫)
大概、初めての異種間交流というものは不幸な結果になるものですけど、今回は相手が比較的友好な態度を崩さなかったおかげで良い方向に進んでいってます。
しかし、クラゲが暴れたおかげで犠牲者が出たはずなのに被害者が出しゃばってきませんね。遺族としての瞬と真帆の特別性は薄れているはずなのですが、お陰で未だにこの二人が不幸な被害者の筆頭を突っ走ってます。まあ出しゃばってきたらグダグダになると思うので良しとしましょうかね。
そして神の視点から明かされるクラゲ誕生秘話。ほうほう、生存に地上と同じ大気必要だったので、宇宙からやってきた可能性よりは高いかなと思ってましたが、地球生まれの生物だったようです。
でもこの説明は適当すぎるだろ!
敵から身を守るために大きくなりました → うむ、オーソドックスな生物の進化だな
敵を回避するために波長を知覚するようになりました → 目が見える様になるみたいなものだね
そしたら波長を自分で発して外敵を攻撃できるようになりました → ホタルが光るのと同じかな?ちょっと威力が違うけど
ちょっと引っ越ししたかったので波長で飛びました → 波長すげー!波長すげー!
これだけの進化を約4ページでか…、無茶しやがって…。

さて私も危惧した、瞬とクラゲの信頼関係に左右される人類という構図ですけど、政府もやはり問題と捉えているようです。よーし潰せーあんな団体ー。
親クラゲとの講和も成功し、その存在意義も希薄になってきました。残りの瞬も奪還すれば壊滅的打撃は一目瞭然。対瞬奪還用兵器、佳江と宮じいを投入、これでチェックメイトだ!

ギャァァァァァ、このアマァァァァ!

最後の最後に見苦しく悪あがきしてくれてありがとう!お約束だなコンチクショウ!

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そんなことよりラブ成分です。
なんですかあの最後の光稀と高巳のシーンは。
正直言って瀕死のダメージを負いながら、即死は免れるギリギリの甘さ!うぉぉぉ
こ、殺せ…、どうせならやることやって一思い私を殺せー…

おまけの掌編で死ねるかと思いましたが、良い話成分いっぱいで死にぞこねました。
みんなのラブで明日も私は元気です。