【楡周平】フェイク (一日目)

フェイク (角川文庫)
なんとなく買った品。ジャケット買いに近い状態なので事前情報一切無し&この作者も初めて知った。ベストコンディションで読書スタートです。
主人公の岩崎君は銀座の高級クラブの新米ボーイという私とは全く違う世界で働いていますが、大学出たての社会人一年生という同じ境遇の時点で身近さ抜群。給料少ないけどお互い頑張ろうな…。
高級クラブでウン百万円の金が飛び交うってのは珍しくも無い話ですけど、学生から社会人に立場が変わった今だと受ける印象も変わりますなぁ。ファンタジーだと割り切ることが出来なくなっちまったよぅ。
そんな世界で暮らす我等が岩崎君、私生活のほうは、仕事が大変、お金が無い、女性に縁が無いの底辺スタートと、まあ暗くは無いけど輝いているとは言い難い暮らし振りです。思いを寄せる彼女はなにやら黒いものが見え隠れし、給料少ない仲間の友人は賭け事で小遣いを稼ぎ、一月で一千万超の売り上げを誇るママから運転手の役目をお願いされ…とどれが発芽するか分かりませんがそれでも着実に変化の種は蒔かれているようですね。
まだまだ序盤の第一章、スタート地点は私と同じですが、岩崎君は一足先に社会の荒波に飲まれていきます。後から追う身としては応援せずにはいられませぬ!
さあて岩崎、お前の生き様見せてもらうぜよ。