【湊かなえ】告白 (2日目)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)


学校で事故死したと思われていた自分の娘は実はクラスの生徒に殺されていた! と書くと真相が二転三転しながら次第に犯人が特定されていくような展開を想像しますが、事故の全体像は結構始めの方で分かったりします。
その後当事者らしき人達に順次焦点を変えながら、それぞれの想いや知っていることが告白されていきました。これがまた暗くてキツイの!小さい女の子が死んだ話がより詳しく分ったところで事態は良くなるわけでもないし、クレーマー母さんはあからさまに頭が弱く描かれているしでなんだか面倒臭くなってきてもう大変ですよ。まあ一通り関係者の告白が終わると始めに「幼女殺人の憤りをどこにぶつけてくれよう」と悩んでいた気持ちにもある程度整理がついたし良しとするか、くらいの気持ちで先に進んでいました。
そしてもう告白するような人間が見当たらなくなった辺りで、もうひとつだけ残っている最後の章。こいつがあらすじにも載っていた衝撃的なラストというやつだなと思ってちょっとワクワクです。
そしたらこれがある意味今までの雰囲気をぶち壊してまで面白くするような展開に持って行って驚き。逞しさすら感じるラストに暗い雰囲気も吹き飛ぶようです。なんだか楽しくもなってきました。若干の「いいのかこれで!」という戸惑いが良い味出してます。