【横溝正史】本陣殺人事件 （２日目）

この本には三つの物語が入ってました。とりあえずタイトルの「本陣殺人事件」と「車井戸はなぜ軋る」の二つを読み終わる。
本陣殺人事件はすんごい骨太な密室殺人ミステリーだった。なんかもうバカミスとかアンチミステリーとか摂取しすぎてオーソドックスな探偵小説成分が不足してる！と感じたとき、ぴったりと期待に応えてくれる出来栄えですな。ただ私の場合は、トリックを重視し過ぎる本格推理物とやらがあまり好きではなかったりする。なんていうの、トリックを成立させるために殺人を起こす様な、何かそれ手段と目的が逆になってんじゃねーの的な部分がどうしても割り切れないというか。アホみたいにポンポン人が殺されていくのはやっぱり気になるというか。辛いところですね。しかしよくまあそこまで人の心理を深く語れるかと感心するけど、死人に口無しなだけじゃないかと思わんでもない。
二つ目の「車井戸はなぜ軋る」は、既に亡くなってしまった人からの手紙の内容で事件が進んでいくという、ガラッと雰囲気が変わった作品でした。あれこれ手法を変えて楽しませようとしてくれる心意気が嬉しいです。あと一つちょっくら読んでくる。