人類は衰退しました4

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)
静かに衰退していく元人類の人間と、代わりに地球の覇権を握るんだかやる気がないんだか分からない現人類の妖精さんのお話も4冊目です。
作者が忙しいとか愚痴を零してた記憶しかないんですけど、コンスタントに続きが出てる気がします。いいことだ。


それにしてもこの緩やかな雰囲気は相変わらずでいいですなー。
終末思想は嫌いだけど終末の頽廃的な感じはなんていうの、ロマン?仕事からの解放?いっかくせんきん?
驚異的な科学力という理由を盾にして、なんでも起るファンタジーな世界へレッツゴー。


でも今回はなんでも起り過ぎ度合いが割り増しで無秩序地帯、食糧危機の時に意思を持った加工済みチキンが謀反を起こすとか軽くホラーだ。
食品とは言え意識のあるのを再加工とか作者の采配は悪魔懸かっておられる。子供っぽい無邪気さと残酷さは表裏一体で入れ替わりやすいよね。

ついでに言うと主人公も無邪気で悪乗りするから、この不可思議な世の中をさらに混乱に陥れやがります。
自分さえ安全なら周りが少し大変な事になってても面白いから構わない、そんな自分第一主義だけは徹底してますから何故か安定感だけはあります。
むしろ才能があると思わされるお話も今回あった。漂流中の開き直り方と引き際の鮮やかさはプロです。

人類は衰退してるけど自分が生きているうちはたぶん大丈夫そうだ、なんて甘っちょろい考えのモラトリアム的な人ばかりが生活できる最後のユートピアだねここは。


えっと次は…
PCゲームで新作作成中?