アカイロ/ロマンス

アカイロ/ロマンス―少女の鞘、少女の刃 (電撃文庫)
人間ではない一族がひっそりと暮らしていたんだけど、なんだか諍いが起きて、そのとばっちりを主人公の高校生が受けるお話。


高校生とかの頃は人間関係に特に敏感になる時期ですよね。
あの子は愛嬌があって男子に人気があるとか、可愛らしい顔をしているが天然でぼんやりしているのが玉に瑕だとか、
やけに周りの好感度評を織り交ぜて人物紹介をしてくれる主人公の景介君。
高校生らしい臆病さがよく表現されていると思います。痛くて死にそうです。
そんな彼に、思わず ほう とか みっしり とか 羨ましくなつてしまうような感じの一族と関わってしまって物語が動き出すんですが、こいつらがよく喋るんですね。
歴史やら諍いのあらましとか分かりましたけど、別にそんな設定を読みたいわけじゃないのが辛いところです。
こう、説明するんじゃなくて描写してほしかったな…。

ただそんな細かいことをぶっ飛ばすくらいインパクトの強い一族とやら。
存在自体が戦慄ものだ…!
ついでに、まさかの展開の連続があったりと楽しませてくれる構成だったのが嬉しいところ。
どこかのミステリー文庫を思い出すようです。
あとは、死人を全て失踪で片付けてしまうような乱暴さが無くなればOKさ。