【原宏一】姥捨てバス姥捨てバス (角川文庫)作者: 原宏一,村田善子出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/04/25メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る

姥捨てツアーに自ら志願するレミングスのごとき婆さんたち。いや、ツアーですから本当に捨てられるわけじゃないんですけどなんとも逞しい婆さんたちだ。でも物語り中の底に流れる厄介者な年寄りという現実が、冗談半分でツアーに参加する婆さんたちの残り半分の本気に強い意志を感じさせるんです。
そんなツアーを企画しちゃった二人組み、押しの強い相棒とついつい流されてしまう「おれ」がいい味出してます。ばかやろー
一発ネタで業界を伸し上がるサクセスストーリーにありがちな、人々の熱狂を歴史の教科書みたいに淡々と書き連ねるなんてことがないのが嬉しいところ。あーだこーだ言いながらいろんな営業戦略を駆使し、なんだか思わぬ方向に話が転がればそれに必死に喰らい付いていく姿がとっても愉快愉快。
後半、流されるまま生きてきた「おれ」が年寄りたちの思いを知り、自分なりの道を探し始める姿にジーンときましたよ。そして物語は佳境に入りもりあがえええええええええ!!!?