【小林泰三】目を擦る女目を擦る女 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 37回この商品を含むブログ (56件) を見る

正直、表紙が怖いです。でもこの作者はホラー作家の皮を被ったSF作家なので、単に怖がらせるだけじゃない一捻り効いた物語を見せてくれます。たまに捻り過ぎてギャグになってますけど。そんなこんなの短編7本収録、SF成分過多でホラー成分少なめの配合な印象。

で、作者のホームページがあったので覗いてみると、自らの肩書きを宣言をしておりました。ふむふむ、SF作家、ホラー作家、ミステリ作家、ファンタジー作家、恋愛小説家…
…恋愛小説家?

この作者の本はいくつか読みましたがそんな印象はあまり覚えがありませぬ。はて?


……ハッ
この本の中の一編、「刻印」がそうだ!
トイレの扉を開けたら2メートル位の蚊型エイリアンがいて、警察に通報したら相手にされなくて、やけっぱちになって挨拶したら微妙に通じて、お喋りする内に仲良くなって、雌だと判ったから蚊子って名前付けて、そのうちエプロン姿で料理作って帰りを待ってくれるようになって


なんだ至極普通の純愛物じゃないか。ちょっと恋に鈍感過ぎますね、私は。

あと、7本の短編はどれも面白いんだけど、お気に入りを一つ上げるなら「超限探偵Σ」
あまりの理論的な事件解決っぷりにタイトルのΣの通り、
            Σ(゚Д゚ )
            ↑コレ

ってなりました。