四畳半神話体系四畳半神話大系 (角川文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2008/03/25メディア: 文庫購入: 71人 クリック: 983回この商品を含むブログ (565件) を見る

女性に縁が無く、性格冴えない、友達いない、しかし自分に非があるわけがない世の中が間違っていると悟りを開き、孤高の存在として自己の研鑽に励む。彼ら現代の賢人たちの生き様はなんと輝いて見えることでしょう。彼らは仮初の幸せに溺れる様なことはせず、具体的に言うと、俗世の穢れであるカップルは唾棄すべき存在として説いて回ります。…僻みとか言うな!


と、まあ、世の中を捻じ曲げるほどエネルギッシュな負のオーラを纏う主人公。彼はきっと一人きりになっても泣き寝入りせず戦い続け、世の中が私を捨てたのではない、私がこの世を捨てたのだ、くらい言ってのけるでしょう。正直涙が止まりません。そして京大出身の優秀な頭脳を有効に使わず、こんな話を書く作者はきっとアホなんだと思います。大好きです。とっとと夜は短し歩けよ乙女文庫化してください。


デビュー作「太陽の塔」でも鱗片を見せていましたが、今作で非モテ文学の雄に成長しつつあります。今後の成長が楽しみとともに、すでに発売されている単行本から予想される作風の方向性も気になるところデス。